国民民主「田中えりか」が「さとうさおり」を警察に通報。仲が悪いの?両者の主張紹介

田中えりか

千代田区議会の会派室をめぐり、国民民主党の田中えりか区議と東京都議のさとうさおり氏が真っ向から対立し、波紋を広げている。ふだんは「税金の闇に切り込む庶民派」として支持を集めるさとう氏と、「手取りを増やす」と訴える国民民主党は、互いに距離が近い印象を持たれていただけに、この衝突は支持層に強い驚きを与えた。

発端は、さとう氏が当選後に区議会各会派へ挨拶に回った際の出来事だった。

さとうさおり氏の主張(YouTube発信より)

さとう氏は自身のYouTubeで経緯を次のように説明している。
「千代田区議会の会派室エリアに足を踏み入れると、110番通報されることになっているらしいんです。実際に田中えりか区議が王子警察署に被害届を出したと聞きました。警察からは『次に同じことがあればすぐに110番通報してください』と指示があったそうです。」

さらに彼女は続ける。
「私はセキュリティエリアに無断で侵入したわけではありません。区議会のカードキーを持つ区議に案内され、各会派を順番に訪問していただけです。自民も立憲も共産も都民ファーストも、みんな普通に挨拶を受け入れてくれました。国民民主党だけが『アポがない』と扉を閉め、さらに通報や被害届にまで発展したのです。」

さとう氏はこの対応を「前代未聞」と断じ、「笑ってしまうほど過剰で、民主主義を壊している」と強く批判した。

田中えりか区議の主張(Instagram投稿より)

一方で田中氏はInstagramで真っ向から反論している。
「事実無根の誹謗中傷と、セキュリティエリアへの無断侵入の被害を王子警察署に届け出ました。警察からは『区議会フロアに部外者が侵入し、会派控室のドアを突破できてしまったことを重く見ている。次に同じことがあればすぐに110番通報せよ』との見解が示されました。」

さらに田中氏は、さとう氏のX(旧Twitter)投稿を問題視した。
「面談の約束もなく突然訪問し、ドアを強引に開けたにもかかわらず、『対決より解決』と書き、写真まで添えて発信した。これは根拠のない誹謗中傷であり、議会運営に対する妨害行為にあたります。」

田中氏は今回の件を「奇襲」や「規則違反の訪問」と表現し、党本部や都連にも報告済みだと説明した。

すれ違う両者の主張

さとう氏は「私は挨拶をしただけ」と主張し、田中氏は「無断侵入で誹謗中傷」と反論。両者の言い分は完全に食い違っている。ただし、通報が現実に行われ、王子警察署が「次は即110番」と伝えたとされる以上、単なる誤解や小競り合いでは済まない事態に発展していることは確かだ。

区議会の秩序を守るために厳格な運用を求める田中氏の姿勢にも一理ある。他方で、当選した都議が会派へ挨拶回りすること自体は本来ごく自然な行為であり、それが「無断侵入」として刑事問題にまで発展するのは異例だ。結果として「議会の秩序維持か、政治的ないじめか」という構図が生まれ、市民には判断が難しい状況となっている。

今回の衝突が示す課題

この一件は、政党間の軋轢を超えて「議会がどのように外部と接するのか」という根本的な課題を突きつけている。議会が閉鎖的になれば、政治不信は一層深まりかねない。しかし、セキュリティや秩序を軽視すれば、運営の正当性が揺らぐ。双方が「自分こそ正しい」と譲らない今、どちらの説明を信じるかは有権者に委ねられている。

筆者の見解

私の考えとしては、結局どの政党にも問題を起こす議員は存在する。もし今回の件を有権者が看過できない重大問題と考えるなら、最終的には次の選挙で審判を下せばよい。政党側としても、不本意であるなら内部管理を徹底し、再発を防ぐべきだ。

さとうさおり氏に関しては、できる限り穏便に、しかし隠された不正や闇があれば淡々と暴き、健全な議論を進めていく姿勢が望ましい。今回のような小競り合いにエネルギーを費やすよりも、政策面での協力や建設的な対話を期待したい。市民が望むのは、政治家どうしの不毛な争いではなく、生活を良くするための真摯な取り組みだからだ。

引用・参考文献(URL)