自民党総裁選をめぐり、国民の信頼を揺るがす大問題が発覚した。小泉進次郎陣営で総務・広報班長を務めていた牧島かれん衆議院議員が、炎上の末に辞任へと追い込まれたのだ。
発端は、牧島氏の事務所から関係者に送付された「コメント依頼メール」である。メールには小泉氏を称賛する24パターンの例文が列挙されていた。
「やっぱりスピード感が違う」
「国を変える覚悟が伝わってくる」
「小泉さんは実直で信頼できる」
「チーム進次郎は仲間が多くて心強い」
「ビジネス保守には負けるな」
このようなコメントが並び、単なる称賛だけでなく、他候補を揶揄する内容まで含まれていた。実際、配信動画のコメント欄には、メールに記載されたものと酷似した投稿が複数確認されている。
本来、広報班長の役割は候補者の政策を正しく伝えることだ。しかし牧島氏は、国民の自由な声を装った「やらせコメント」を組織的に仕込み、世論を操作しようとした。これは広報という役職の根幹を踏み外す行為であり、「ステマ政治」として批判されるのは当然だ。
「確認不足」「行きすぎた表現」では済まされない
炎上を受けた牧島氏は、「確認不足だった」「行きすぎた表現が含まれていた」と釈明した。しかし、広報班長という重責にある人物に「確認不足」は通用しない。候補者の顔をつくり上げる役職にありながら、軽率な言い訳で逃げようとする姿勢自体が、国民の信頼を裏切るものだ。
さらに、牧島氏はかつてデジタル大臣を務め、ネット世論の影響力を熟知していた。その人物が広報責任者として「世論操作」に踏み切ったことは、単なる失態ではなく確信的な行為だと受け止められている。
衝撃の辞任理由「殺人予告・爆破予告」
そして炎上の末に飛び出したのが、牧島氏の“衝撃の辞任理由”だった。彼女は「殺人予告や爆破予告のメールが相次ぎ、命の危険を感じたため」広報班長を辞任したと説明したのである。
しかし、この理由は新たな疑念を生んだ。ネット上では次のような反応が溢れた。
「予告の証拠を見せてほしい」
「警察案件だからすぐ動くはず」
「もし犯人が捕まらなければ自作自演では?」
「ステマをやった人が今さら被害者ぶっても信じられない」
つまり、牧島氏の説明は逆効果となり、国民の不信を一層強める結果となった。
広報班長という立場の重さ
この問題の本質は、広報班長が「責任を持って国民に候補者を正しく伝える」という使命を自ら放棄し、逆に世論を歪める方向に走った点だ。広報活動は候補者の言葉や政策を丁寧に届ける役割を担うものであり、やらせや中傷を仕込むことではない。
牧島氏はその地位を利用し、称賛と攻撃を織り交ぜたコメント依頼を発信した。その行為は小泉陣営全体の信用を地に落としたばかりか、党全体に「ステマ体質」という負のレッテルを貼ることとなった。
被害者ポジションで幕引きは許されない
辞任によって責任を取ったように見せかけているが、「殺人予告を受けた」という理由で被害者ポジションを演じ、炎上の本質をすり替えようとしているのではないかとの見方が広がっている。もちろん、脅迫が事実なら断じて許されない。しかし、その真偽が明かされないままでは、「辞任の口実」と疑われても仕方がない。
国民が求めているのは、脅迫メールの有無ではなく、不正なコメント依頼がなぜ、誰の指示で行われたのかという核心だ。牧島氏が広報班長として陣営をどう統括し、どこまで責任を負うべきかを徹底的に説明しない限り、この問題は終わらない。
結論
牧島かれん氏の辞任は、広報班長としての責任放棄であると同時に、国民に対する説明責任の回避でもある。24パターンのコメント依頼、他候補への中傷、ステマ行為の発覚、そして衝撃的な辞任理由。どの要素を取っても、国民の信頼を裏切る行為であり、辞任一つで幕引きできる話ではない。
「ステマ野郎」と揶揄され、被害者ムーブを疑われるに至ったのは、自らの行為が招いた必然の結果だ。牧島氏が本当に信頼を回復したいなら、辞任ではなく真実の全貌を公に語るしかない。