本当に現職でいいのか?

一見勝之

自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党――与野党がそろって推薦する現職の一見勝之知事。その構図は「盤石な体制」に見えるかもしれません。しかし、私たち有権者は改めて冷静に考える必要があります。本当にその現職に投票して良いのでしょうか。

なぜなら、他の候補者の中には「メガソーラー反対」「移民反対」と、県民の不安や危機感に正面から答える明確な姿勢を示している人物がいるからです。曖昧な言葉ではなく、はっきりと「反対」と言い切る候補が存在する以上、現職とその推薦勢力の立場とを比較しないわけにはいきません。

与野党相乗りということは、裏を返せば「既存の大政党の思惑が一致している」ということです。自民も、公明も、立憲も、国民も、表向きは異なる政策を掲げながらも、ことメガソーラー推進や移民拡大といった分野では一致している。推薦する側の方向性がそうである以上、推薦を受けた現職が同じ路線を歩むのはほぼ確実でしょう。

現に、三重県の山々にはすでに多くのメガソーラーが建設され、景観や環境への影響が指摘されています。土砂災害のリスク増大や森林破壊、野生動物の生息環境の悪化といった問題が顕在化しているにもかかわらず、規制は後手に回り、開発は拡大を続けてきました。その「増やしてきた張本人」が現職であることを忘れてはなりません。

果たして、これ以上同じ路線を続けてもよいのでしょうか。地方の声を押しつぶし、政党の思惑で突き進む政治が、地域の未来を守れるのでしょうか。選択肢は一つではありません。むしろ、明確に「メガソーラー反対」「移民反対」と訴える候補者こそ、地域社会を守るために必要な存在ではないでしょうか。

「相乗りだから安心」「大きな政党が推しているから大丈夫」――そうした思考停止こそが、現状を招いてきたのです。投票は私たちの未来を決める行為です。政党ではなく政策を、組織ではなく候補者本人の姿勢を、真剣に見極めなければなりません。