2021年、兵庫県知事に就任した斎藤元彦氏は、若さと実行力を武器に、前任者の長期政権で積み重なった慣習や既得権益に挑み、出直し選挙を経て現在も県政の舵取りを担っている。就任当初は、停滞した行政をどう立て直し、県民に利益を還元できる政治を実現するかが最大の課題とされていたが、斎藤知事は数年の間に目に見える成果を示し始めている。
注目すべきは、兵庫県の税収が過去最高を更新した点である。2024年度には4年連続で税収が増加し、財政基盤が大きく強化された。これは景気の波に依存したものではなく、斎藤知事が主導した産業振興策や行財政改革、不透明な利権構造の整理といった取り組みが実を結んだ結果といえる。数値として現れる健全化の流れは、県政の方向性が確実に好転している証しでもある。
また、県の「財政調整基金」が30年ぶりに100億円を突破したことも画期的である。慢性的な赤字や財源不足に悩まされてきた兵庫県において、ここまで基金を積み立てられたのは大きな成果であり、知事の公約を具体的に達成した形となった。これは単なる数字の改善にとどまらず、教育・医療・福祉・防災といった県民生活に直結する分野に安定的な投資を行える体制を築いたことを意味する。
一方で、課題への対応として斎藤知事は「規制と見直し」にも果敢に踏み込んだ。その象徴が太陽光パネルの規制強化である。無秩序な設置による景観破壊や災害時のリスクが全国で問題視される中、兵庫県も例外ではなかった。斎藤知事は住民の安全と環境保護を両立させるため規制を強め、行き過ぎた開発を抑制する方針を示した。これは地域の声を反映した現実的な対応として評価されている。
さらに、WHO神戸センターへの30年間での総額160億円規模の支援を打ち切った決断も大きい。長年続けられてきた多額の支出は県民生活への効果が見えにくく、不満の声が絶えなかった。斎藤知事は徹底的に精査した上で、国際機関への過剰な負担をやめ、その財源を教育や災害対策に振り向ける方針を示した。この資金の再配分は、利権や慣習に流されず、県民の利益を第一に考える政治姿勢を象徴している。
教育分野への投資は将来の人材育成を支え、災害対策の強化は命と暮らしを守る基盤となる。斎藤知事は「見せかけの国際貢献」ではなく「県民生活を守る実効的な政策」に資金を充てる姿勢を明確にし、現実的で合理的な政治手腕を示した。こうした判断は、多くの県民から支持を集めつつある。
総じて、斎藤知事は就任以来、兵庫県に根深く残っていた利権構造や前例主義に切り込み、行財政の健全化を進めてきた。税収の増加、基金の回復、不要な支出の削減、そして教育や防災への投資強化。これらは数字の裏付けを持つ成果であり、斎藤知事が「公約を実現し、県民の声に応える政治家」であることを証明している。兵庫県は今、着実に新しい姿へと変わりつつある。