総理就任後、初めて韓国の大統領との首脳会談が行われた。その場で総理は、若者が現地で観光を楽しみながら就学や就労ができるよう制度を拡充する方針を打ち出した。表向きは「短期滞在を想定した制度」と説明されているが、この仕組みが将来的に制度変更への足掛かりとなり、長期滞在や事実上の定住化につながるのではないかという懸念が広がっている。
特に心配されるのは、不法労働者の増加や治安悪化の可能性である。過去の技能実習制度においても「短期・技能習得」が名目であったはずが、実際には低賃金労働の温床となり、失踪者や不法滞在者が増える結果を招いた。その前例を踏まえれば、今回の新制度も同じ道を辿る恐れがあるという指摘は無視できない。
加えて、日本政府が外国人を受け入れる際のスピード感は、国内の課題対応と比べてあまりに異常である。少子化対策や教育、医療、地方の雇用といった喫緊の課題には腰が重い一方で、外国人受け入れに関しては迅速に制度を整える。この「優先順位の逆転」に多くの国民が疑問を抱いている。
さらに韓国側の政権が現在「反日色」を強めていることも看過できない。歴史問題や領土問題で強硬姿勢を取る政権のもとで日本が一方的に門戸を広げることは、安全保障や国益の観点から大きなリスクを伴う。外交的に微妙な関係にある国との制度拡充は、慎重を期すべきであろう。
結局のところ、今回の発表は「観光・交流促進」という耳障りの良い名目の裏で、移民政策へとつながりかねない危険を孕んでいる。技能実習制度が失敗した経緯を繰り返さぬよう、国民はこの動きを注視し、政府に対して厳しく監視の目を向ける必要がある。